RHELにおけるオブジェクトストレージの利用 – CephとMinIOのケーススタディ

RHELにおけるオブジェクトストレージの利用 – CephとMinIOのケーススタディ

オブジェクトストレージは、スケーラブルで耐障害性に優れたデータ保存方法を提供します。このブログでは、RHEL環境でのCephとMinIOを使用したオブジェクトストレージの構築と活用方法について解説します。

オブジェクトストレージとは

オブジェクトストレージは、データをオブジェクト単位で管理し、高いスケーラビリティを実現します。ファイルシステムやブロックストレージとは異なり、メタデータを持つデータオブジェクトを一意のキーで管理します。

Cephの概要

Cephは分散型ストレージシステムで、大規模なオブジェクト、ブロック、ファイルストレージを統合的に提供します。高可用性とスケーラビリティが特徴です。

MinIOの概要

MinIOは、高性能なオブジェクトストレージソフトウェアで、Amazon S3互換のAPIを提供します。軽量でセットアップが簡単な点が特徴です。

RHELでのCephのインストール

Cephの公式リポジトリを有効化し、パッケージをインストールします。

sudo yum install -y ceph-common

Cephクラスターの構築

最初にCephクラスターのモニターを設定します。

ceph-deploy new

その後、クラスター全体のインストールを実行します。

ceph-deploy install

Cephのプール作成とオブジェクト保存

プールを作成し、オブジェクトを保存します。

ceph osd pool create
rados put

RHELでのMinIOのインストール

MinIOをインストールするには、公式バイナリをダウンロードして実行します。

wget https://dl.min.io/server/minio/release/linux-amd64/minio
chmod +x minio
sudo mv minio /usr/local/bin

MinIOの設定

MinIOをローカルディレクトリに設定して起動します。

minio server /data

MinIOクライアント(mc)のインストール

MinIOのクライアント(mc)をインストールして操作を簡略化します。

wget https://dl.min.io/client/mc/release/linux-amd64/mc
chmod +x mc
sudo mv mc /usr/local/bin

MinIOのストレージアクセス

MinIOのバケットを作成し、オブジェクトをアップロードします。

mc alias set myminio http://localhost:9000 accessKey secretKey
mc mb myminio/bucketname
mc cp file.txt myminio/bucketname

CephとMinIOの用途の違い

Cephは大規模分散ストレージに最適で、MinIOは軽量で迅速なセットアップが可能な用途に適しています。

モニタリングとトラブルシューティング

Cephでは「ceph health」コマンド、MinIOではダッシュボードを使用してストレージの状態を監視します。

ceph health

MinIOのダッシュボードURLは以下です。

http://localhost:9000

運用ベストプラクティス

  • 定期的にクラスターの状態をチェックする
  • データのバックアップを確実に行う
  • 負荷テストを行い、スケーリング計画を立てる

RHEL環境での活用シナリオ

  • ビッグデータ解析のデータ保存
  • クラウドネイティブアプリケーションのストレージバックエンド
  • データアーカイブとバックアップ