TypeError: Cannot set property ‘X’ of undefined in Vue.jsの解決方法

TypeError: Cannot set property ‘X’ of undefined in Vue.jsの解決方法

「TypeError: Cannot set property ‘X’ of undefined in Vue.js」というエラーは、未定義のオブジェクトまたはデータプロパティに対して値を設定しようとした場合に発生します。このエラーの原因と解決方法について解説します。

エラーの発生条件

  • Vueコンポーネント内で未定義のデータプロパティやオブジェクトにアクセスしようとしている。
  • 非同期処理の結果が未定義のままデータにバインドされている。
  • 初期化されていない変数やオブジェクトに値を代入しようとした。
  • プロパティの参照先が存在しない。

エラー例

未定義のオブジェクトやプロパティにアクセスしようとすると、エラーが発生します。

<template>
  <div>{{ user.name }}</div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      user: undefined // userオブジェクトが未定義
    };
  },
  mounted() {
    this.user.name = 'John'; // エラー発生: Cannot set property 'name' of undefined
  }
};
</script>

原因1: オブジェクトやプロパティが未定義

Vueコンポーネントでデータオブジェクトを定義していない場合、プロパティに値を設定するとエラーが発生します。

解決方法1: 初期値を定義する

データオブジェクトやプロパティに初期値を設定します。

<script>
export default {
  data() {
    return {
      user: {
        name: '' // 初期値を設定
      }
    };
  },
  mounted() {
    this.user.name = 'John'; // 正常に設定
  }
};
</script>

原因2: 非同期データの処理ミス

非同期で取得したデータが未定義のままプロパティにアクセスしようとすると、エラーが発生します。

解決方法2: データの取得後に処理を実行する

非同期処理が完了するまで、プロパティにアクセスしないようにします。

<script>
export default {
  data() {
    return {
      user: null
    };
  },
  async mounted() {
    const response = await fetch('https://api.example.com/user');
    this.user = await response.json();
  }
};
</script>

<template>
  <div v-if="user">{{ user.name }}</div>
</template>

原因3: ネストされたオブジェクトが未定義

ネストされたオブジェクトや配列が未定義の場合もエラーが発生します。

解決方法3: オプショナルチェーンを使用する

安全にプロパティにアクセスするために、オプショナルチェーン(?.)を使用します。

<template>
  <div>{{ user?.name }}</div>
</template>

原因4: 動的プロパティの設定

Vueでは、データオブジェクトに動的にプロパティを追加するとリアクティブではなくなる場合があります。

解決方法4: Vue.setを使用する

Vue.setを使用してプロパティを動的に追加します。

<script>
export default {
  data() {
    return {
      user: {}
    };
  },
  mounted() {
    this.$set(this.user, 'name', 'John'); // 正常に追加
  }
};
</script>

原因5: コンポーネント間のデータ受け渡しミス

子コンポーネントへのpropsが正しく渡されていない場合、エラーが発生します。

解決方法5: 必要なpropsを定義する

子コンポーネントで受け取るpropsを明示的に定義します。

<template>
  <ChildComponent :user="user" />
</template>

<script>
import ChildComponent from './ChildComponent.vue';

export default {
  data() {
    return {
      user: { name: 'John' }
    };
  },
  components: {
    ChildComponent
  }
};
</script>

エラーの原因を特定する方法

  • ブラウザのデベロッパーツールでエラーメッセージを確認する。
  • 問題のコード部分をログに出力してデバッグする。

まとめ

「TypeError: Cannot set property ‘X’ of undefined in Vue.js」は、未定義のデータオブジェクトやプロパティにアクセスしようとした場合に発生します。適切に初期化するか、非同期処理後にプロパティを設定することでこのエラーを回避できます。