MySQLのエラー『ER_PARSE_ERROR』の解決方法

MySQLの『ER_PARSE_ERROR』は、SQLクエリの構文に誤りがある場合に発生する。スペルミス、構文ルール違反、不適切なデータ型、予約語の誤用などが原因となることが多い。このエラーを解決するために、発生条件と具体的な修正方法を詳しく見ていく。
1. エラーの発生条件
『ER_PARSE_ERROR』は以下のような場合に発生する。
- SQL文の構文が間違っている
- 予約語をカラム名やテーブル名として使用している
- 文字列や数値のデータ型が適切でない
- クエリの一部が欠落している
- 不正なエスケープシーケンスを含んでいる
2. 基本的な構文エラーの例
以下のSQLを実行するとエラーが発生する。
SELECT name age FROM users;
この場合、『name』と『age』の間にカンマがないため、正しくは以下のように修正する。
SELECT name, age FROM users;
3. 予約語の誤用
MySQLには予約語があり、それらをカラム名やテーブル名として使用するとエラーが発生する。
CREATE TABLE select (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
「select」は予約語のため、そのままではエラーになる。バッククォート(`)で囲むことで解決できる。
CREATE TABLE `select` (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
);
4. クエリの一部が欠落している
以下のSQLには「VALUES」キーワードが抜けているためエラーが発生する。
INSERT INTO users (id, name) (1, 'Taro');
正しくは次のように記述する。
INSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'Taro');
5. 不適切なデータ型の使用
数値をクオートで囲んでしまうとエラーになる場合がある。
INSERT INTO users (id, age) VALUES (1, '25');
「age」が数値型の場合、値をクオートなしで記述する。
INSERT INTO users (id, age) VALUES (1, 25);
6. シングルクォート・ダブルクォートの誤用
MySQLでは文字列リテラルにはシングルクォート(’)を使うべきだが、間違ってダブルクォート(”)を使用するとエラーが発生することがある。
SELECT * FROM users WHERE name = "Taro";
シングルクォートに修正する。
SELECT * FROM users WHERE name = 'Taro';
7. エスケープが必要な特殊文字
SQL内でシングルクォートを使う場合、適切にエスケープしないとエラーになる。
INSERT INTO users (name) VALUES ('O'Reilly');
正しくはバックスラッシュでエスケープする。
INSERT INTO users (name) VALUES ('O\'Reilly');
8. カラム名やテーブル名の誤り
間違ったカラム名を指定するとエラーが発生する。
SELECT full_name FROM users;
「full_name」というカラムが存在しない場合は、正しいカラム名に修正する必要がある。
SELECT name FROM users;
9. SQLモードの影響
MySQLのSQLモードによっては、特定の構文がエラーになることがある。現在のSQLモードを確認するには次のコマンドを実行する。
SELECT @@sql_mode;
特定のSQLモードが原因でエラーが発生している場合、一時的に無効にすることも可能。
SET sql_mode = '';
10. MySQLのバージョン違いによるエラー
異なるバージョンのMySQLでは、一部の構文が使用できない場合がある。バージョンを確認するには次のコマンドを実行する。
SELECT VERSION();
最新のバージョンにアップデートするか、バージョンに適したSQLを使用する。
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