JavaScriptでセキュアなアプリを作るためのCORS対策ガイド
- 作成日 2025.02.26
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クロスオリジンリソースシェアリング(CORS)は、異なるオリジン間でリソースを共有する際に必要となるセキュリティ制御です。本記事では、JavaScriptを使用したアプリケーションでCORSの問題に対処する方法とセキュアなアプリケーションを作成するためのベストプラクティスを解説します。
CORSとは?
CORSは、ブラウザが異なるオリジン(ドメイン、ポート、またはプロトコル)からリソースをリクエストする際に発生するセキュリティ制約を管理する仕組みです。この制約により、セキュリティを維持しつつ、クライアントとサーバーが異なるオリジン間で通信することが可能になります。
基本的なCORSの動作
CORSでは、ブラウザがリクエストヘッダーに`Origin`を含め、サーバーがレスポンスヘッダーに`Access-Control-Allow-Origin`を設定することで、リソースのアクセスを許可するかどうかを決定します。
サーバーでのCORS設定
const express = require("express");
const cors = require("cors");
const app = express();
// CORS設定
app.use(cors({
origin: "https://your-allowed-origin.com",
methods: ["GET", "POST"],
allowedHeaders: ["Content-Type"]
}));
app.get("/data", (req, res) => {
res.json({ message: "Hello from server!" });
});
app.listen(3000, () => {
console.log("Server running on port 3000");
});
プリフライトリクエスト
非シンプルなHTTPリクエスト(例えば、`PUT`や`DELETE`メソッドを使用するリクエスト、またはカスタムヘッダーを持つリクエスト)は、ブラウザによって「プリフライトリクエスト」として`OPTIONS`メソッドで事前に送信されます。サーバーはこのリクエストに対して適切なCORSヘッダーを返す必要があります。
app.options("/data", cors({
origin: "https://your-allowed-origin.com",
methods: ["GET", "POST", "OPTIONS"]
}));
クライアント側でのCORS設定
クライアント側では、通常の`fetch`や`XMLHttpRequest`を使用する際にCORS設定が適用されます。`fetch`では、`mode`オプションを使用してCORSポリシーを設定できます。
fetch("https://your-api.com/data", {
method: "GET",
headers: {
"Content-Type": "application/json"
},
mode: "cors" // CORSリクエスト
})
.then(response => response.json())
.then(data => console.log(data))
.catch(error => console.error("Error:", error));
認証情報を含むリクエスト
認証情報(クッキーや認証ヘッダーなど)を含むリクエストを送信する場合、`fetch`の設定で`credentials`オプションを指定する必要があります。
fetch("https://your-api.com/data", {
method: "GET",
credentials: "include", // クッキーや認証情報を送信
mode: "cors"
})
.then(response => response.json())
.then(data => console.log(data))
.catch(error => console.error("Error:", error));
サーバーでのアクセス許可ヘッダー
サーバーは、適切なCORSヘッダーをレスポンスに追加して、リクエスト元のオリジンに対してリソースへのアクセスを許可します。
res.setHeader("Access-Control-Allow-Origin", "*");
res.setHeader("Access-Control-Allow-Methods", "GET, POST, PUT, DELETE");
res.setHeader("Access-Control-Allow-Headers", "Content-Type, Authorization");
特定のメソッドやヘッダーの制限
サーバー側で、リクエストメソッドやヘッダーを制限することができます。例えば、`GET`と`POST`のみを許可する設定や、特定のカスタムヘッダーを許可する設定が可能です。
クロスオリジンのリソース共有制限
セキュリティ上の理由から、CORSを使用してリソースを共有する場合でも、必要な最小限のアクセス権のみを与えることが重要です。例えば、信頼されたドメインにのみアクセスを許可する設定を行います。
CORSエラーのトラブルシューティング
CORSエラーが発生した場合、ブラウザのコンソールにエラーメッセージが表示されます。主な原因は、リクエストの`Origin`ヘッダーがサーバー側で許可されていない場合や、サーバーが`Access-Control-Allow-Origin`ヘッダーを設定していない場合です。
CORSを避けるためのベストプラクティス
CORSポリシーを適切に設定するためのベストプラクティスは以下の通りです:
- 信頼されたドメインにのみCORSを許可する
- `Access-Control-Allow-Origin`を`*`に設定しない
- クライアントとサーバー間でAPIキーや認証トークンを使用して通信を保護する
- 可能であれば、同一オリジン内でのリソースアクセスを利用する
セキュリティ上の注意点
CORSを使用する場合、セキュリティ上のリスクも考慮する必要があります。特に、クライアント側で`credentials: “include”`を使用する際には、セッション固定攻撃やクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)のリスクを避けるため、トークン認証を使用することが推奨されます。
まとめ
CORSを適切に設定することで、異なるオリジン間でのセキュアな通信が可能になります。アプリケーションを開発する際には、CORSポリシーを慎重に設計し、セキュリティを強化するための対策を講じましょう。
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