RHELのカーネルパラメータ調整 – 性能を引き出すためのsysctl設定
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) でのカーネルパラメータ調整は、システム性能の最適化や安定性向上に直結します。ここでは、sysctl設定を用いて効率的なカーネルチューニング手法を詳細に探ります。
目次
カーネルパラメータの基本概念
カーネルパラメータは、システムの動作を制御するための設定項目です。「proc filesystem」を通じてリアルタイムで変更可能です。
現在の設定の確認
sysctlコマンドを使い、現在のカーネルパラメータを確認します。
sysctl -asysctl.confの編集と永続化
永続的変更のために、/etc/sysctl.conf ファイルにアクセスします。
sudo vi /etc/sysctl.confネットワークスループットの最適化
ネットワーク性能向上のため、関連パラメータを調整します。
net.core.rmem_max = 16777216
net.core.wmem_max = 16777216ファイルディスクリプタの制限
同時接続の最大数を増やすために、ファイルディスクリプタの上限を設定します。
fs.file-max = 100000仮想メモリ管理の調整
スワップの利用頻度を減らし、レスポンスを向上させます。
vm.swappiness = 10TCP設定の改善
ラウンドトリップタイムを短縮し、ネットワーク効率を高めます。
net.ipv4.tcp_fin_timeout = 15ICMPエコー制限
ICMPパケットの制限でネットワーク攻撃を防ぐ。
net.ipv4.icmp_echo_ignore_broadcasts = 1再起動が必要なパラメータの識別
一部のパラメータはカーネルを再起動しないと反映されません。その識別法について。
セキュリティパラメータのチューニング
セキュリティを高めるために、特定のカーネルパラメータを調整します。
kernel.randomize_va_space = 2変更の適用と検証
変更を即座に反映させ、システムに及ぼす影響を確認します。
sudo sysctl -pトラブルシューティングとログの確認
誤った設定が行われた場合のトラブルシューティングと、それを検出するためのログ確認法。
dmesg
journalctl -kこれらの設定を活用することで、RHELシステムのパフォーマンスを最大限に引き出し、安定した運用を確実にします。
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