Rocky Linuxでのネットワークトラフィック管理とQoS設定ガイド

この記事では、Rocky Linux上でネットワークトラフィックを効率的に管理し、QoS（Quality of Service）設定を行う方法を詳しく解説します。これにより、ネットワーク資源の最適化とサービス品質の向上を実現できます。

ネットワークツールのインストール

ネットワークトラフィックを制御するために必要なツールをインストールします。特にiproute-tcが重要です。

sudo dnf install -y iproute-tc

ネットワークインターフェースの確認

最初に管理対象のネットワークインターフェースを確認します。主にipコマンドを使用します。

ip addr show

Traffic Controlの基本設定

Traffic Control（tc）を用いて、インターフェースのトラフィック制御を行います。

sudo tc qdisc add dev eth0 root handle 1: htb default 11
sudo tc class add dev eth0 parent 1: classid 1:1 htb rate 100mbit

QoSルールの設定

QoS設定により、特定のトラフィックの優先順位付けや帯域制限を行います。

sudo tc class add dev eth0 parent 1:1 classid 1:11 htb rate 10mbit ceil 100mbit

この設定で、eth0インターフェースのトラフィックは最大100Mbpsの帯域内で制御されますが、通常は10Mbpsに制限されています。

トラフィックフィルターの実装

フィルタリングを用いて、特定のIPアドレスやプロトコルに対してトラフィックを制御します。

sudo tc filter add dev eth0 protocol ip parent 1:0 prio 1 u32 match ip dst 192.168.1.0/24 flowid 1:11

モニタリングと調整

トラフィックの状態をリアルタイムでモニタリングし、必要に応じて設定を調整します。

sudo watch tc -s qdisc show dev eth0

トラブルシューティング

問題が発生した場合、詳細を確認し、原因を特定します。

sudo tc -s class show dev eth0

設定の永続化

システム再起動後も設定が反映されるように、スクリプトを作成して起動時に自動実行させます。

echo -e "#!/bin/bash\nsudo tc qdisc add dev eth0 root handle 1: htb default 11" > /etc/rc.d/rc.local
chmod +x /etc/rc.d/rc.local

これで、Rocky Linuxにおけるネットワークトラフィック管理とQoS設定が可能になります。適切な設定により、ネットワークの安定性と効率性を高めることができます。