Red Hat Enterprise Linuxのファイルシステム管理 – XFSとEXT4の使い分け

Red Hat Enterprise Linuxのファイルシステム管理 – XFSとEXT4の使い分け

この記事では、RHELで利用できる代表的なファイルシステムであるXFSとEXT4の特徴や使い分け方、操作方法について説明します。システム管理者が効率的にストレージを管理するための実践的な手順を網羅しています。

ファイルシステムの概要

Linuxでは複数のファイルシステムが利用できますが、RHELではデフォルトでXFSが採用されています。一方、EXT4は依然として多くの場面で使用されています。

XFSファイルシステムの特徴

  • ジャーナリング機能による高い信頼性
  • 大容量ストレージのサポート
  • 優れた拡張性

EXT4ファイルシステムの特徴

  • 幅広い互換性
  • ジャーナリング機能と効率的なディスク利用
  • パフォーマンス重視の設計

ファイルシステムの選択基準

使用目的や環境に応じて、以下のような基準で選択します。

  • 大容量のストレージが必要: XFS
  • 互換性や軽量なシステムが必要: EXT4

パーティションの作成

新しいディスクを確認し、パーティションを作成します。

lsblk
sudo fdisk /dev/sdX

操作例:

  • 新しいパーティションの作成: n
  • 書き込み: w

EXT4ファイルシステムの作成

パーティションにEXT4を設定します。

sudo mkfs.ext4 /dev/sdX1

XFSファイルシステムの作成

XFSを使用する場合の手順:

sudo mkfs.xfs /dev/sdX1

マウントポイントの設定

ファイルシステムをマウントするディレクトリを作成し、マウントします。

sudo mkdir /mnt/data
sudo mount /dev/sdX1 /mnt/data

永続的なマウントの設定

/etc/fstabを編集して、再起動時にもマウントを維持します。

sudo nano /etc/fstab

例:

/dev/sdX1  /mnt/data  ext4  defaults  0  0

ファイルシステムの拡張 (XFS)

XFSはオンライン拡張が可能です。

拡張例:

sudo xfs_growfs /mnt/data

ファイルシステムのチェック (EXT4)

問題が発生した場合、fsckで検査を行います。

sudo umount /mnt/data
sudo fsck.ext4 /dev/sdX1

ファイルシステムのバックアップと復元

tarrsyncを使用してバックアップします。

sudo tar -cvpzf backup.tar.gz /mnt/data
sudo rsync -av /mnt/data /backup/data

パフォーマンスのチューニング

XFSおよびEXT4でのチューニング例:

  • マウントオプションを最適化: noatime, nodiratime
  • XFSのI/Oスケジューリング: ionice

トラブルシューティング

よくある問題への対処:

  • マウントエラー: dmesgでログ確認
  • ファイルシステムエラー: fsckで修復